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子供の主体性

私が10年以上前、この園に初めて来た時に、大人が主導して行ういわゆる一斉保育を行っていました。跳び箱や鉄棒がどの子もほぼできて、絵もみんなで描いたり、リズム運動もとっても上手だったり、それはそれで素晴らしかったのですが個々の子ども達を考えてみると、本当に子ども達がやりやかったことなのかなと疑問を持つようになりました。大人にいろいろな方がいるように、小さな子ども達だって同じだと思います。絵が好きな子がいれば、運動が好きな子もいるし、絵本が好きな子もいるし積み木遊びのような構成遊びが好きな子もいるし、それこそ千差万別でどれが素敵かなんかは決められないし、どれも 比べようがないくらい素敵なことだと思います。
近年 若い人の中に指示を待たないと動けない方や、自分で考えて行動できない方が増えていると聞きますが、大人主導で育ってきた中ではある意味当然なのかなと思います。もっと言えば子ども達の考える力や行動する力、感じる力までをも奪ってきたのではないかなと思うのです。 園では今少しずつ 子どもが主体的に遊びの活動するということについて学んでいる最中です。その遊びの中で子ども達が自分で考え、自分で行動できる人になるための基礎を育ててあげられたら良いなと考えています。「みんな違って みんないい」 多様性の世の中だからこそ今必要なことだと思います。一人一人の子ども達に「あなたは あなたのままでいいんだよ」と伝えられることによって自己肯定感が育ち生きていく力を育てていければと考えています。

良質な環境について

園では考え抜かれたヨーロッパの良質なおもちゃ等を用意しています。園でおもちゃに求めている大切な要素はおもちゃから一方的に働きかけてこないもの。つまり電気や電池で動くおもちゃは等は置いていません。ヨーロッパのおもちゃはまずデザインがとても美しいです。色も非常に考えられているし、塗装に関しても厳しい基準があるので安心して遊べるのです。遊びの環境つくりも大人が用意したものではなく自ら選んで遊ぶということを大切にしています。保育目標にもある主体性を育て自分で考え行動できる人になってほしいという願いからです。また子ども達が園で生活する時間を考慮して、家庭で過ごすような温かい空間作りを心掛けています。

絵本について

当園では 1~5歳児まで月間絵本の購入をして頂いています。(月 430円 0歳児クラスの間は、園でプレゼントしています)絵本は子ども達が楽しく時間を過ごすのにとても重要なツールと考えています。何が子ども達にとって楽しいときなのか?それは読み聞かせをしてもらっている時だと思うのです。絵本を読んでもらうことはもちろん、大好きなお母さんが自分の為だけに時間を作ってくれる。これほどうれしいことはないですよね。忙しい保護者の皆さんが気負わずにお子さんと楽しめると思います。また最近ではテレビ番組等であまり子ども達に聞かせたくないような言葉がたくさん飛び交っていますが、絵本は美しい言葉を伝えられるという安心感もあります。

縦割り保育について

年上の子は下のクラスの子達のお世話をしてあげることで優しさやリーダー的な役割を果たすことで責任感が芽生えることや社会性を身に着けることができるでしょう。年齢で区切られた教育・保育では月齢の差も大きく関係してきます。同年齢では力を発揮できないお子さんがいた場合などは、コンプレックスを抱いてしまう事もありますが、下のクラスの子のお世話をしたり、遊びの中で教えてあげることにより逆に自信をつける場合もあります。そういう意味では月齢差が出にくいとも言えます。またお世話を受けた子たちは自分が大きくなった時に、同じように下の子達のお世話をしてくれることと思います。私たちが子供だった頃は近所の子ども達だけで異年齢で遊ぶ機会があり、その中で様々な役割や社会性を自然と学んでいましたが、子ども達の遊びの環境が大きくく変わったことや少子化の影響により異年齢で遊ぶ機会が減っています。
縦割り保育を行い異年齢で過ごすことで上記のようなメリットを受ける機会を作っていってあげたいと思います。しかし反面 小さな子が大きな子におもちゃを取られたり意地悪をされることや上のクラスの子が小さな子ども達に対して我慢をする等によりストレスを感じる等のデメリットが予想されますので、そこは私たち大人が十分に注意深く見守る必要があると思います。また当園での縦割り保育は運動遊び等の場面においては同年齢で活動する場合もあります。例えばプール遊び等は異年齢で活動するのは難しいので同年齢での活動になりますし、当園では年長児は午睡が4月からありませんので、その時間は年長だけの時間になります。いずれにしても 子ども達に不安が無いよう教育・保育を行っていき、縦割り保育のメリットを最大限に生かし社会性や協調性を育ていきたいと思います。

食事について

あすかの森では、お昼ごはんは和食中心の食事を提供しています。子どもにとって安全で健康的な食事の提供を心掛けています。基本的には 子どもが食べたいものではなく、大人が食べてほしいものを提供しています。園では 昔から食べていた 伝統的な食事 ご飯 味噌汁 魚料理という和食を中心に考えています。子ども達の体の元になると考え、園では安全で健康的な食材・調味料を使用しています。また卵・牛乳・小麦粉は一切使わず、砂糖をなるべく使わないで、アレルギーの子も安心に食べられるご飯の提供を目指します。牛乳を出さない代わりに 園で米麹の甘酒を作っています。子ども達には、季節感やなるべく地元の食材等を使ったご飯を提供したいと考えています。

大人になった時に・・・

園で子ども達は様々な経験をします。積木が積めたよ・泥団子ができたよ・パズルができたよ・こんな絵が描けたよ・コマがまわせたよ・・・そのたびに子ども達は成功体験を仲間や大人たちと共有します。その小さな積み重ねが生きていくうえでとっても大切だと考えています。今世間で言われている自己肯定感はこの小さな積み重ねも影響すると思われます。縦割り保育やこの小さな積み重ねでついた自信をもとに子ども達の自己肯定感が育つと事が大切と考えます。自分を大切に思える人は、きっと他人も大切にしてあげることが出来ると信じています。困った人がいた時に助けてあげられ、また自分が困った時には周りの人を信頼して助けてほしいと言える人に育ってほしいと思います。大人になって生きていくうえで、一番大切なことだと思っています。